“裾前”の読み方と例文
読み方割合
すそまえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
外部ではにぎこぶしで続けさまに戸をたたいている。葉子はそわそわと裾前すそまえをかき合わせて、肩越しに鏡を見やりながら涙をふいてまゆをなでつけた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
君江は黙って、暫くの間老人のなすがままになっていたが、やがて静にベンチから立上り着物の裾前すそまえを合せ、びんでながら、「すこし歩きましょう。」と連立って石段を降りる。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ほんのり上気した額に、おくれ毛がへばりついて、乱れた裾前すそまえ吐く息も熱そうだ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)