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螇蚸
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ばった
ふりがな文庫
“
螇蚸
(
ばった
)” の例文
それには
蜻蛉
(
とんぼ
)
や、
螇蚸
(
ばった
)
や、蝉や、
蝸牛
(
かたつむり
)
や、蛙や、
蟾蜍
(
ひきがえる
)
や、鳥や、その他の絵が何百となく、本物そっくりに、而も簡明にかかれてあった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
元来、よほど以前に出来た建物なので、壁は雨と埃にまみれてドス黒く汚れ、窓硝子はさんざんに砕け落ちて、
螇蚸
(
ばった
)
や
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の住家になっていた。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「どうだ、
螇蚸
(
ばった
)
、
蟷螂
(
かまきり
)
、」といいながら、お雪と島野を
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、笑顔で
眗
(
みまわ
)
しても豪傑だから
睨
(
にら
)
むがごとし。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
加世子は女中と顔を見合わせ、くすくす笑っていたが、銀子も話は好きで、「大地」の中に出て来る農民の土への執着や、
螇蚸
(
ばった
)
の災害の場面について無邪気に話したりした。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
既にその時もあれじゃ、植木屋の庭へこの藁草履を入れて
掻廻
(
かきま
)
わすと、果せるかな、
螇蚸
(
ばった
)
、
蟷螂
(
かまきり
)
。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
図213は
螇蚸
(
ばった
)
で、かなりよく出来ているが、こんな物にあってすら脚の数は正しく、そして身体の適当な場所から出ている。図214の蜻蛉も、かなりな出来である。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
竹中は伯母さんから、瓶に一杯入れた煮た
螇蚸
(
ばった
)
を、御飯につけてお上りとて貰った。ドクタアと私とはそれを何匹か食って見たが、小海老に似た味で、中々美味だった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
「
踠
(
もが
)
くない、
螇蚸
(
ばった
)
、わはは、はは、」多磨太は容赦なくそのいわゆる小羊を
引立
(
ひった
)
てた。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七兵衛は
螇蚸
(
ばった
)
のような足つきで不行儀に
突立
(
つった
)
つと屏風の前を
一跨
(
ひとまたぎ
)
、
直
(
すぐ
)
に台所へ出ると、荒縄には秋の草のみだれ
咲
(
ざき
)
、小雨が降るかと霧かかって、帯の端
衣服
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
をしたしたと落つる
雫
(
しずく
)
も、
萌黄
(
もえぎ
)
の露
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
螇
部首:⾍
16画
蚸
部首:⾍
11画