蝋燭屋ろうそくや)” の例文
爺「えゝ仰願寺こうがんじをくれろと仰しゃるんですか、えへゝ仰願寺なら蝋燭屋ろうそくやへおいでなさらないじゃアございませぬよ」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ばかを言え、こうして吊るして歩くんだ、これから蝋燭屋ろうそくやへ行って百目蝋燭の太いのを買ってやる」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
また湯屋があった、黒いけむりが、町の薄緑色の夕空に上っている……車屋の家は、軒の傾いた小さな店で蝋燭屋ろうそくやの隣りにあったが、日が暮れるとじきに戸を閉めてしまうのが常である。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
種々雑多の職人、例えば筆結ふでゆい墨師すみし弓矢師ゆみやし絃師つるし襖師ふすまし表具師ひょうぐし土器師かわらけし焼物師やきものし笠縫かさぬい簑作みのつくり石切屋いしきりや左官さかん櫛挽くしひき蝋燭屋ろうそくやなども、みな穢多の支配の下におったものだと言っております。
その中でも、蝋燭屋ろうそくや一蝶いっちょうという仕掛け怪談話が非常にうけた。
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
蟠「松倉町二丁目の葛西屋かさいやという蝋燭屋ろうそくやの裏に小野庄左衞門という者がある、其の娘を貰おうとした処が、わしのことを馬鹿士とかなんとか云ったが其の儘になってる」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
娘「はい、葛西屋かさいやと云う蝋燭屋ろうそくやの裏でございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)