虚事そらごと)” の例文
千代 さらばあの中に天狗のやうな人食人ひとくひびとがおぢやるといふは、ありやほんまに虚事そらごとでおぢやるかいな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「あゝ、んでもない、……たとへにも虚事そらごとにも、衣絵きぬゑさんを地獄ぢごくおとさうとした。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ことに会話受持のチャペルという教師は、非常に点数のからい人であるから、会話の成績が悪いとあるいは落第するかも知れぬと実事まこと虚事そらごと打混うちまぜて哀訴嘆願に及ぶと、案じるよりも産むがやす
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これを見てあるに、げに虚事そらごととは思はれざりけりとかや。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)