ろう)” の例文
いわゆる「ろうたけた」ところに一と眼でこころをひかれたのでござりまして父の趣味をあたまにおいてお遊さんの写真を
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかし何よりも不満なのはお遊さんのかおにあるあの「ろうたけた感じ」がない、お遊さんよりずっと位が劣って見える
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
むかしのものの本に「ろうたけた」という言葉があるのはつまりこういう顔のことだ
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
二度とあゝ云うろうたけた人に出遇えるかどうか分らないけれども、でもゝう自分は、あの人との恋は一往かなえたのである、どう云う相手であったにしろ、その人の魅力の程は知ってしまった
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いかにろうたけた上﨟であるかを想像で補うより外はなかったであろう。