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藪山
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やぶやま
ふりがな文庫
“
藪山
(
やぶやま
)” の例文
「お侍だよ。
藪山
(
やぶやま
)
の加藤っていえば、おっ母が知ってるといった。——ああ、それから、達者で暮しているかって、おらの頭を撫でて訊いたよ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又七郎は
益城
(
ましき
)
小池村に屋敷地をもらった。その背後が
藪山
(
やぶやま
)
である。「藪山もつかわそうか」と、光尚が言わせた。又七郎はそれを辞退した。竹は平日もご用に立つ。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「それにいるのは、
藪山
(
やぶやま
)
の叔母御ではないかな——母上、あれなる後家どのは、中村の光明寺の山にいた叔母御でしょう」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おまえの母の妹は、ようわしの屋敷へは遊びに見える。帰ったら、母へよろしくいってくれ。
藪山
(
やぶやま
)
の
加藤弾正
(
かとうだんじょう
)
が、お達者に——というていたとな」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺入り証人の加藤家は、この
藪山
(
やぶやま
)
のすそなので、晩になると、僧の一人は、日吉に飯を与えて、山から連れて降りた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
戦国以後に発達した
平城
(
ひらじろ
)
とちがい、極めて旧式な——土豪時代の
砦
(
とりで
)
なので、
濠
(
ほり
)
も
繞
(
めぐ
)
らしてないし、従って城壁も見えない。唐橋もない。ただ、
漠
(
ばく
)
とした一面の
藪山
(
やぶやま
)
であった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藪山
(
やぶやま
)
のやしきへ、叔母を頼って行った日、猫が飯をたべているのを眺めて、
沁々
(
しみじみ
)
、
羨
(
うらや
)
ましく眺めながら、自分の
空腹
(
すきばら
)
には、一
椀
(
わん
)
の冷飯も与えられないのを、天地に
喞
(
かこ
)
ったこともある。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藪
漢検準1級
部首:⾋
18画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“藪”で始まる語句
藪
藪蚊
藪入
藪鶯
藪蛇
藪畳
藪蔭
藪原
藪睨
藪地