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蕃殖
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はんしょく
ふりがな文庫
“
蕃殖
(
はんしょく
)” の例文
その
蕃殖
(
はんしょく
)
にもっとも注意を尽くせど、各部族その種馬を惜しみ、他部族の牝馬と交わらざらしむる故、馬種の改善著しく挙がらず。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それで鼠が蚫を食って
蕃殖
(
はんしょく
)
し、また或る年には蚫に食われて減って行くという話があり、或いは海に入って海鼠になるのだというような話さえあったが
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お
沙汰書
(
さたしょ
)
に——向後、土地
墾闢
(
こんぺき
)
、人民
蕃殖
(
はんしょく
)
、北門ノ
鎖鑰
(
さやく
)
厳ニ樹立シ 皇威御更張ノ基ト
可相成
(
あいなるべく
)
——とあり、黒田清隆の上書にもちゃんと明記されている
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
物産を
蕃殖
(
はんしょく
)
せしめ、
有無
(
うむ
)
を相通ぜしめ、水道、
溝渠
(
こうきょ
)
、貯蓄等の民政を振作し、
延
(
ひ
)
いて
鰥寡
(
かんか
)
孤独
(
こどく
)
を
愛恤
(
あいじゅつ
)
する等の
自
(
おのず
)
から現時の国家社会制を実践したるもの一にして足らず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「左様、この地球——この地上が、地上として今日のように固まるまでには、幾多の生物が現われて
蕃殖
(
はんしょく
)
したかと思うと、それが全く種切れになって、次の時代に移り……」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
その木賊はそこの縁先に非常に夥しく
蕃殖
(
はんしょく
)
し、青い細い茎が雨の脚のように一面にすくすくと群生しているのがちょっと奇異な
見物
(
みもの
)
なので、珍しいなあと思った当時の印象が
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それがことしたくさん
蕃殖
(
はんしょく
)
したのでこちらへも分けてよこしたものだろう。
球根
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そうしてここは禁猟区になっておるので、猿は年々
蕃殖
(
はんしょく
)
するそうである。
別府温泉
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
然るに一方社会の悪分子は何等の道徳律にも束縛せられずして彼等の同族を
蕃殖
(
はんしょく
)
せしめてゐるのである。かくの如く調子高き理想主義は中世紀の修道院に於けるがごとき同一の結果を生ずるであらう。
恋愛と道徳
(新字旧仮名)
/
エレン・ケイ
(著)
西インドへ輸入するとたちまち風変りとなって鳴き
噪
(
さわ
)
がず、その代りにいつ盛るという定めもなく年中唖でやり通しで、林中に食物多き故、野生となって大いに
蕃殖
(
はんしょく
)
す。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
沖縄には
麝香鼠
(
じゃこうねずみ
)
と
謂
(
い
)
って、特殊の臭気を発し、また鳴く声もこちらの鼠とちがったのが多いそうだが、鹿児島だけにはそれが
蕃殖
(
はんしょく
)
していつの頃にか船で運ばれたものと想像せられており
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“蕃殖”の意味
《名詞》
蕃殖(はんしょく 「繁殖」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
生物が生まれて増えること。
(出典:Wiktionary)
蕃
漢検準1級
部首:⾋
15画
殖
常用漢字
中学
部首:⽍
12画
“蕃殖”で始まる語句
蕃殖力
蕃殖期