落花生らっかせい)” の例文
その道路では一人の子供が、アスファルトの上で微塵みじんつぶれている白い落花生らっかせいの粉を、這いつくばってめていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
石を敷いたみちの右側には白いアセチリン瓦斯ガスがあって、茹卵ゆでたまご落花生らっかせいを売る露店ろてんが見えていた。瓦斯の燈はその露店のうしろれた柳の枝の嫩葉わかばにかかっていた。
女の首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
麦もあわ唐芋からいも落花生らっかせいも砂糖黍も食う。高倉はもと鼠を防ぐために、柱を高くした建物であるが、鼠はその柱に飛びついて、かつらつるのようにめぐりつつ登ってしまう。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)