“落掛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おちかか50.0%
おとしがけ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前挿まえざしかんざし落掛おちかかるのをさし直しながら、「お煙草盆たばこぼんのお火はよろしゅう御ざりますか。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さりとも、人は、とあらためて、清水の茶屋を、松の葉ごし差窺さしうかがうと、赤ちゃけた、ばさらな銀杏返いちょうがえしをぐたりと横に、かまちから縁台へ落掛おちかかるように浴衣の肩を見せて、障子の陰に女が転がる。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふと顔を挙げて見ると、其処には何にもなくて、障子の上の鴨居よりは一尺ばかり高く、床の間の落掛おとしがけが、白々とした柾目を見せてるばかりだった。
都会の幽気 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
また床柱とこばしら落掛おとしがけとの二元的対立の程度の相違にも、茶屋と茶室の構造上の差別が表われているのが普通である。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)