茶戸棚ちゃとだな)” の例文
例のように彼は部屋の茶戸棚ちゃとだなの側に陣取って膳にむかって見た。懺悔ざんげを書き始めてから以来このかた閉居する身には庭の草木も眼についた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
葡萄酒ぶどうしゅでも飲んでおいで」と言いながら、岸本は思いついたように部屋のすみにある茶戸棚ちゃとだなの方へ立って行った。そこからボルドオのびんを取出した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
下座敷には箪笥たんすも、茶戸棚ちゃとだなも、長火鉢も、子供等の母親が生きていた日とほとんど同じように置いてあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
奥座敷に並べてある諸道具は、丁寧に鳥毛の塵払ちりばらいをかけて、机の上から箪笥たんす茶戸棚ちゃとだなまで、自分の気に入ったように飾ってみた。火鉢ひばち周囲まわりには座蒲団ざぶとんを置いた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こんなことを傍で言われて、お雪はキマリが悪そうに茶戸棚ちゃとだなの方へ行った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)