茶室ちゃしつ)” の例文
また木目が馬鹿に奇麗だと云って、茶室ちゃしつ床柱とこばしらなンかになったのもある。根こぎにされて、都のやしきの眼かくしにされたのもある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ずっと前のある夜、私は友の家の離れの茶室ちゃしつとまりました。私は夜中にふと目をさましました。
病房にたわむ花 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
広々ひろびろにわってはあるが、わずかに三かぞえるばかりの、茶室ちゃしつがかった風流ふうりゆう住居すまいは、ただ如何いかにも春信はるのぶらしいこのみにまかせて、いれがとどいているというだけのこと
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
私は娘で、東京はずれの親の家の茶室ちゃしつ作りの中二階に住んでいた頃である。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)