茶亭さてい)” の例文
六三園は純粋の日本式庭園で、諏訪明神のほこらがあり、地蔵の石像があり、茶亭さていが設けられ、温室には各種の花が培養せられて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
まもなく阿波守重喜しげよし茶亭さていからここへ席を移し、京浪人と称する三卿を初め、食客の竹屋三位卿さんみきょうもついてくる。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殊に、其の深潭にのぞみて、瀟洒なる一軒の茶亭さていあり。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
茶の接待、水浴室の設備なども鄭重である。茶亭さていには花卉の鉢をならべ乃木東郷両大将の記念自署などが扁額としてかゝつて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
谷間に茶亭さていが造られてあり、峰へ登れば、見晴しを計って、お茶屋の設けが待ちうけ、彼処かしこでは、里の女が茶を献じ、ここでは思いもうけぬ美人が、山の物を料理し、風光を景物に
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)