茲所こゝ)” の例文
隣の連中は余程世間が広い男達と見えて、右左みぎひだりかへりみて、彼所あすこにはだれがゐる、茲所こゝにはだれがゐるとしきりに知名な人の名をくちにする。なかには離れながら、互に挨拶をしたのも一二人いちににんある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此団扇をかざして立つた姿勢がい。流石さすが専門家はちがひますね。茲所こゝに気がいたものだ。光線が顔へあたる具合がうまい。かげと日なた段落だんらく確然かつきりして——顔丈でも非常に面白い変化がある
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)