芝愛宕下しばあたごした)” の例文
わたくし昨年さくねんの十二ぐわつ芝愛宕下しばあたごした桜川町さくらがはちやうしまして、此春このはる初湯はつゆはいりたいとぞんじ、つい近辺きんぺん銭湯せんたうにまゐりまして「初湯はつゆにもあらひのこすやへそのあか」
年始まはり (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
はじめ御国許おくにもとのつとめだったのが、のちに江戸詰めとなったのだそうで、私は芝愛宕下しばあたごしたの御中屋敷で生れた。
日本婦道記:桃の井戸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
例へば芝愛宕下しばあたごしたなる青松寺せいしようじの前を流れる下水を昔から桜川さくらがはと呼び又今日こんにちでは全く埋尽うづめつくされた神田鍛冶町かんだかぢちやうの下水を逢初川あひそめがは橋場総泉寺はしばそうせんじの裏手から真崎まつさきへ出る溝川みぞかは思川おもひがは
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
下谷佐竹ヶ原、根津ねづ入谷いりや芝愛宕下しばあたごした、小石川柳町、早稲田鶴巻町わせだつるまきちょう辺、いづれも話には聞きたれど、これらは親しく尋ね究むる暇なかりしものなればここには記さず。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
例えば芝愛宕下しばあたごしたなる青松寺せいしょうじの前を流れる下水を昔から桜川さくらがわと呼びまた今日では全く埋尽うずめつくされた神田鍛冶町かじちょうの下水を逢初川あいそめがわ橋場総泉寺はしばそうせんじの裏手から真崎まっさきへ出る溝川を思川おもいがわ