脱心ぬかる)” の例文
むむ、きさまはな、これから直ぐに彼奴あいつの後をけて何をするか眼を着けろ。「飲込のみこみました。「実に容易ならぬ襤褸ぼろが出た。少しでも脱心ぬかるが最後、諸共ともどもに笠の台が危ないぞ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くれぐれも脱心ぬかるなよ。「合点がってんだ。と鉄の棒の長さ一尺ばかりにて握太きを小脇に隠し、勝手口より立出たちいでしが、このは用心厳重にて、つい近所への出入ではいりにも、じょうを下すおきてとかや。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老夫人は蹴込けこみへ片足、「脱心ぬかるまいぞ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)