胆太きもふと)” の例文
旧字:膽太
何はともあれ、彼の身辺へも矢弾やだまが飛んで来たろうし、事態の重大も直感したろう。だが、この胆太きもふとい海外貿易家の若い博多町人は
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その様子に胸先ず安く、ついに調金の事を申し出でしに、はからざりき感嘆の体と見えしはしょう胆太きもふとさをあきれたる顔ならんとは。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
かれらは同時代の武士のように、変節や裏切りをあしたに夕べにするほどな胆太きもふとい厚顔無恥ではなかったが、事、こうなるとじっとしてはいられず。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
到底のんどくだるまじと思いしに、案外にもあじわいくて瞬間にべ尽しつ、われながら胆太きもふときにあきれたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)