肯入きゝい)” の例文
旅店りよてんわかしう押返おしかへすやうにおまをしてはりますが、手足てあしつてお肯入きゝいれなく、くつ蹴飛けとばしていらツしやいます。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しては成らんぞ、悪口あっこうしても棄置かんぞよ、いよ/\肯入きゝいれなければ兎も角も、血気にはやって心得違いをいたすまいぞよ
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
平生へいぜい荒々しき事ばかり致しますので、母親も見兼て度々たび/\意見を加えましたが、強情なる文治は一向肯入きゝいれませぬ。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大「これさ、しッ/\……主人の言葉をそむく奴だから捨置き難い、どうか始終は林藏と添わしてやりたいから、段々話をしても肯入きゝいれんから、むを得ずかくの通り致した」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手前はのような悪人にお構いなさるなとって止めましたが、日頃の御気象、お肯入きゝいれもなく其の儘おいでになりました、其の時は何ういうお掛合をなすったか知りませんが
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)