肥肉ふとりじし)” の例文
若い時、艶名をうたわれたといわれるだけに、五十を越しているというにもかかわらず、白い肥肉ふとりじしの身体には、まだ少しの皺も見えなかった。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
三階をのぼりきった室には、けばけばしい長襦袢を着た三十ぢかい肥肉ふとりじしの女が、桃色の夢がまだ漂っているようなフカフカした寝床の上に倒れていた。
ネオン横丁殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
くちなはきらめきぬ、蜥蜴とかげも見えぬ、其他の湿虫しつちうぐんをなして、縦横じうわう交馳かうちし奔走せるさま一眼ひとめ見るだに胸悪きに、手足をばくされ衣服をがれ若き婦人をんな肥肉ふとりじし酒塩さかしほに味付けられて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)