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肥桶
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こえたご
ふりがな文庫
“
肥桶
(
こえたご
)” の例文
鍬
(
くわ
)
を肩に掛けて行く男もあり、
肥桶
(
こえたご
)
を担いで腰を
捻
(
ひね
)
って行く男もあり、
爺
(
おやじ
)
の煙草入を腰にぶらさげながら
随
(
つ
)
いて行く児もありました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もっとも悪い事でもなんでもない。臭いものの
蓋
(
ふた
)
をとれば
肥桶
(
こえたご
)
で、見事な形式をはぐとたいていは露悪になるのは知れ切っている。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうしてこう寝坊だろうね、
肥桶
(
こえたご
)
のくせに。図々しいったらありゃしない。」と彼女はよくいった。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
先日
(
こなひだ
)
七十三の
老齢
(
とし
)
まで女遊びをしたといふ西依成斎の事を書いたが、成斎の生れた
家
(
うち
)
は、熊本在の水呑百姓で、両親は朝
夙
(
はや
)
くから
肥桶
(
こえたご
)
を担いで野良へ仕事に出たものだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今後の見せしめに
肥桶
(
こえたご
)
をかつがせて、舞台を七廻り廻らせろと発議する者もありました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「君に
肥桶
(
こえたご
)
が持てるか?」
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それは実際巣鴨の場末の田舎に居た「
肥桶
(
こえたご
)
」の嘗て知らない楽しみであった。人生の珍らしさと労働の健かさとが彼の心に夜明けと共に忍びこんで来るのであった。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
臭
(
くさ
)
いものの
蓋
(
ふた
)
を
除
(
と
)
れば
肥桶
(
こえたご
)
で、美事な形式を
剥
(
は
)
ぐと大抵は露悪になるのは知れ切つてゐる。形式丈美事だつて面倒な許だから、みんな節約して
木地
(
きぢ
)
丈で用を足してゐる。甚だ痛快である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
新しい木材の
香
(
か
)
や鑿の音も彼の心を動かした。面白い音を出す柱時計やぴかぴか光っている道具類や棟梁の大きな銀の煙管なども彼の心を引いた。そして其処には彼を「
肥桶
(
こえたご
)
」と呼ぶ人も無かった。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
桶
漢検準1級
部首:⽊
11画
“肥桶”で始まる語句
肥桶臭