まとまり)” の例文
「大体の方針を然う定めて、詳しい日程は団君に一任しようじゃないか? 種々いろいろと工夫して見たが、僕には何うもまとまりがつかない」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
由三は眼をつぶツて、何んといふまとまりのないことを考出した。「此うしてゐて何うなるのだ。」と謂ツたやうな佗しい感じが、輕く胸頭むなさき緊付しめつける。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
幾ら考へても、何時もまとまりの付いたためしは無いが、それでも頭のそこの方に何か名案めいあんひそむでゐるやうに思はれるので、何うにかして其の考へを引ツ張り出さうとする………雖然出ない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)