縁遠えんどお)” の例文
科学に縁遠えんどおい人間に、三角形に対する恐怖を抱かせることの出来た私は、もうそれで所信の点を充分確かめ得たわけですから、此所で手を引くのが当り前でした。
三角形の恐怖 (新字新仮名) / 海野十三(著)
十有余年じゅうゆうよねん崇拝する、都の文学者某君なにがしぎみもとへ、宿望しゅくぼうの入門がかなつて、其のために急いで上京する次第は、何故なぜか、天機てんきらすと云ふやうにも思はれるし、又余り縁遠えんどお
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
学校に縁遠えんどおい方だったものでえすから、暑さ寒さの御見舞だけと申すのが、書けないものには、飛んだどうも、実印じついんしますより、事も大層になりますところから、何とも申訳もうしわけがございやせん。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)