細節さいせつ)” の例文
単に装飾の細節さいせつにおいて相違する点をもつぶさに書き分けていまだ霊廟を見ない人に向って誇り顔にこれを紹介したことであろう。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかし枳園は平生細節さいせつかかわらぬ人なので、諸方面に対して、世にいう不義理が重なっていた。中にも一、二件の筆紙にのぼすべからざるものもある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
更に進んで運河沼沢しょうたく噴水橋梁きょうりょう等の細節さいせつにわたってこれを説き、なおその足らざる処を補わんがために水流に映ずる市街燈火の美を論じている。
広く世界各国の都市と其の河流かりう及び江湾の審美的関係より、さらに進んで運河沼沢せうたく噴水橋梁けうりやうとう細節さいせつわたつてこれを説き、なほ其のらざる処をおぎなはんが為めに水流に映ずる市街燈火の美を論じてゐる。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)