紅衣こうい)” の例文
紅衣こうい楽人がくじんたちがふえをはやし、白丁狩衣はくちょうかりぎぬの男たちがほこや榊をふって、歌いに歌う。そしてになった女子供が花棒はなぼうふりふりおどって歩く。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
慶良間けらまの或る島で祭の夜、白衣の祝女たちの行列の間をくぐって、小腰こごしをかがめて何べんか往来した紅衣こういの神が、後に村民ぼうの妻だったことをすっぱ抜かれて
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かの岩間に咲く蓮馨花さくらそうは人に見えざるがゆえに彼女は紅衣こういを以てよそおわざるか、年々歳々人知れずしてこうを砂漠の風に加え、色を無覚の岩石に呈する花何ぞ多きや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
紅衣こういの仙も、白衣の仙も、急にびっくりして、これはきっと、管輅かんろ仕業しわざだろう、困ったものだと、呟いていましたが、やがてふところから各〻の簿を取出し
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)