紅珊瑚べにさんご)” の例文
お綾の皮膚の色は、羽二重はぶたえ紅珊瑚べにさんごを包んだようで、生々いきいきした血色と、真珠色の光沢の上に、銀色の白粉おしろいを叩いたかと思われました。
白ばら、白百合しらゆり、白壁、白鳥。紅いものには紅百合、紅ばら、紅珊瑚べにさんご、紅焔、紅茸、紅生姜しょうが——青い青葉、青い虫、黄いろい菜の花、山吹の花。
明暗 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
門には竜宮といふ字を真珠をかして書き、それを紅珊瑚べにさんごの玉で縁取つた素晴らしい大きな額をかけて、その中には矢張り鱗模様うろこもやうの着物に、魚形の冠をかぶつた番兵がついてをりました。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
かわがわる足を上げて、さぎのような恰好、紅珊瑚べにさんごの爪さきを無心に拭いていると
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)