“簣(き)” の例文
連判状へでも名を書かれたら、千仞(じん)の功を一簣(き)に欠き、それこそ日本が二派に別れ、大戦争になるんだからねえ
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若(も)し九仭の功(こう)を一簣(き)に欠くあらば大遺憾(だいいかん)の至りなり、希(ねがわ)くは此一夜星辰を戴(いただ)きて安眠(あんみん)するを得せしめよと、誰(たれ)ありてか天に祈(いの)りしなるべし、天果して之を感ぜしか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
子磬(けい)を衞に撃つ、簣(き)を荷いて孔子の門を過ぐる者あり。曰く、心あるかな磬を撃つやと。既にして曰く、鄙(ひ)なるかな硜硜乎(こうこうこ)硜たり。己を知るなくんば、斯れ已まんのみ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ある意味では百ジンの功を一簣(き)に欠いているようなところもおこるのですものね。
大人は富士を脊負うて、いずれへか持って行こうとしたり、または一夜に大湖を埋めようとして簣(き)を以て土を運んだ。その簣の目をこぼれた一塊が、あの塚だこの山だという話はどこにでもある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
功 或(あるい)は 一簣(き)に少(か)くるを。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
又九仭(じん)の功名を、一簣(き)に虧(か)いてしまったのである。落胆するのは当然である。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「九仭の功を一簣(き)に欠くよ」
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)