あじか)” の例文
さて取り捨つべきところもなければ、屋敷のそとに穴を掘りてこれをめ、蛇塚を作る。その蛇はあじか何荷なんがともなくありたりといえり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
沙を運ぶ者は、ざるに容れておうこで担い、礁の破片を運ぶ者は、大きなあじかに容れて二人で差し担ってくのであった。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
陽炎かげろふあじかに土をめつる人
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
第一種の話というのは、ある男が六十になった親をもっことかあじかとかに入れて、小さい息子むすこに片棒をかつがせて、山の奥へ棄てに行く。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そして、其の大きな男のうしろにもおうこで差し担ったあじかが来ていたが、それにも人夫の一人が頭と一方の足端あしくび衣片きれでぐるぐる巻きにして仰臥あおむけに寝かされていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
陽炎かげろうあじかに土をめづる人
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
さて取り捨つべき所もなければ、屋敷の外に穴を掘りてこれを埋め、蛇塚を作る。その蛇はあじか何荷なんがともなくありたりといへり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
ざるあじかの群はまた蟻のようにおか往来ゆききをはじめた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)