竹薮たけやぶ)” の例文
谷の一つの浅い部分は耕されて旧士族地を取囲とりまいているが、その桑畠や竹薮たけやぶうしろにしたところに桜井先生の住居すまいがあった。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其頃御坊ごばうさんの竹薮たけやぶたけのこを取りにはいつた在所ざいしよの者が白いくちなはを見附けた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
裏庭には茶畠もあれば竹薮たけやぶもあったこと、自分でくわを取って野菜を作ったこと、西洋の草花もいろいろ植えて、鶏も飼う、猫も居る——丁度、八年の間
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
高瀬の住む町からもさ程離れていないところで、細い坂道を一つ上れば体操教師の家の鍛冶かじ屋の店頭みせさきへ出られる。高い白壁の蔵が並んだ石垣の下に接して、竹薮たけやぶや水の流に取囲とりまかれた位置にある。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)