“立端(たちは)” の例文
ハタとたて切(き)る雨戸(あまど)の閾(しきゐ)くちしは溝(みぞ)か立端(たちは)もなくわつと泣(な)く空(そら)に闇(やみ)を縫(ぬ)ひ行(ゆ)く烏(からす)の兩三聲(りやうさんせい)。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
男も立端(たちは)を失ったように、一度しまいかかった袂落(たもとおと)しの煙草入れを又あけて、細い銀煙管から薄いけむりを吹かせていたが、その吸い殻をぽんと叩くのをきっかけに、今度は思い切って起ちあがった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)