稻羽いなば)” の例文
新字:稲羽
避りし所以ゆゑは、その八十神おのもおのも稻羽いなば八上やかみ比賣よばはむとする心ありて、共に稻羽に行きし時に、大穴牟遲おほあなむぢの神にふくろを負せ、從者ともびととしてて往きき
大國主の神が多勢の兄弟と共に旅して來た稻羽いなばの海岸とはこゝだといふことに氣がつく。智惠のある白い兎が※岐おきの島から鰐の背を渡つて來たのもこゝだといふことに氣がつく。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かれ教のごとせしかば、その身本の如くになりき。こは稻羽いなば素菟しろうさぎといふものなり。今には菟神といふ。
の國より針間はりまの國に到り、また追ひて稻羽いなばの國に越え、すなはち旦波たにはの國多遲麻たぢまの國に到り、東の方に追ひ𢌞りて、ちか淡海あふみの國に到り、三野みのの國に越え、尾張をはりの國より傳ひて科野しなのの國に追ひ