種馬たねうま)” の例文
種馬たねうまにはなりたいものさ。僕等は結婚式でも三日が精々だが、支配人の養子となると扱いが違う。二ヵ月はけだし世界中の記録レコードだろうね」
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これが子爵の心の奥にひそめた響であツた。要するに周三は、子爵の爲に、また勝見家の爲に種馬たねうまの資格となツたのだ。好いうまを生ませる爲に、種馬の持主もちぬしは誰にしても種馬を大事にする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
此の相續人になツた資格のうらには、種馬たねうまといふ義務ぎむになはせられてゐた。それで彼が甘三四と]なると、もう其の候補者こうほじやまでこしらへて、結婚をまられた。無論周三は、此の要求を峻拒した。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)