礼子れいこ)” の例文
東野南次がとんで行くと、それは小綺麗なしもた家で、表札の曾我野礼子れいこというのは、幽里子の母親の未亡人で、五十二三の上品な婦人でした。
もうきがいのないわたし、あなたが殺されなけりゃわたしが殺す……。こうさけんで母は奥座敷おくざしきへとびった。……礼子れいこ下女げじょごえあげてそとへでた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ほとんど人のみさかいもないように見えた細君さいくんも、礼子れいこ下女げじょ増山ますやま家内かないから、いろいろなぐさめられていうがままにとこについた。やがて増山夫婦ますやまふうふも帰った。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なみだもろい西田にしだは、もう目をうるおした。礼子れいこもでてきてだまってお辞儀じぎをする。西田はたちながら
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)