碧流へきりゅう)” の例文
真先まっさきに立ちたる未醒みせい君、立留たちどまって、一行を顧みた。見ればまさしく橋は陥落して、碧流へきりゅういわむ。一行相顧みて唖然あぜんたり。
だが、この鮮麗な大河の風色ふうしょく熾烈しれつな日光の中では決して不調和ではない。私は南国の大きい水禽みずどりのように碧流へきりゅうを遡るのだ。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
風が涼しい、たんは澄み、碧流へきりゅうは渦巻く。紫紺しこん水禽みずどりは、さかのぼる。遡る。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)