破却はきゃく)” の例文
これも全身の姿勢に軽微な平衡へいこう破却はきゃくが必要であったのと同じ理由から理解できる。眼については、流眄りゅうべんが媚態の普通の表現である。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
これに加うるに日々にちにち昔ながらの名所古蹟を破却はきゃくして行く時勢の変遷は市中の散歩に無常悲哀の寂しい詩趣を帯びさせる。
高山父子がそれをこばみ、飽くまで信長にたてつくときは、伴天連ばてれん一門の徒、すべて彼らと同意と見なし、南蛮寺の破却はきゃくはもちろん、宗門掃滅そうめつ、信徒宣教師のやから
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実に根柢こんていより自国の特色と伝来の文明とを破却はきゃくした暴挙といわねばならぬ。
ことごとくこれを破却はきゃく
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)