石蚕せきさん)” の例文
しかしそれには、巨大な石蚕せきさんのような下水道をよく知りつくし、あらゆる枝と穴とを知っていなければならなかったろう。
たね洪水こうずゐながつくしたるゆゑ、たえたるなるべし。他国にも石蚕せきさんしやうずる川あらば此蝶あらんもしるべからず。
本草ほんざうあんずるに、石蚕せきさん一名を沙虱すなしらみといふもの山川の石上につきまゆをなし、春夏羽化うくわして小蛾せうがとなり、水上すゐしやうに飛ぶといへり。くだんのさかべつたうは渋海川の石蚕せきさんなるべし。
パリーの地下は、もし中を透視し得るとするならば、巨大な石蚕せきさんの観を呈しているだろう。古い大都市が立ってる周囲六里のこの土地には、海綿も及ばないほど多くの水路や隘路あいろがついている。