相連あいつら)” の例文
北国の春の空色、青い青い海の水色、澄みわたった空と水とは藍をとかしたように濃淡相映じて相連あいつらなる。望む限り、縹緲ひょうびょう、地平線に白銀のひかりを放ち、こうとして夢を見るが如し。
それより上は全くの神斧鬼鑿しんぷきさく蘇川そせん峡となるのだ。彩雲閣からわずかに五、六丁足らずで、早くも人寰じんかんを離れ、俗塵ぞくじんの濁りを留めないところ、峻峭しゅんしょう相連あいつらなってすくなからず目をそばだたしめる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)