直記なほき)” の例文
直記なほきと誠之進とは外貌のよく似てゐた如く、気質きだても本当の兄弟であつた。両方に差支のあるときは特別、都合さへ付けば、同じ所につ付き合つて、同じ事をして暮してゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
丁度直記なほきの十八のあきであつた。ある時二人ふたり城下外じやうかはづれの等覚寺といふ寺へおやの使に行つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
殺される十日ほど前、夜中やちう合羽かつぱて、かさに雪をけながら、足駄あしだがけで、四条から三条へ帰つた事がある。其時旅宿やどの二丁程手前で、突然とつぜんうしろから長井直記なほきどのと呼び懸けられた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)