画師ゑし)” の例文
旧字:畫師
自分の肖像をいつまでも油絵にき残しておきたい自惚うぬぼれと、かきに仕払ふ謝礼とを、どちらともどつさり持ち合はせてゐる男が多いので、肖像画の店を張つてゐる画師ゑしも少くはないが
くれの春隣すむ画師ゑしうつくしき今朝けさ山吹に声わかかりし
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「勿論かやうなお姿にしたのは御意ぎよいに入らぬことでございませう。しかしわたしは御承知の通り、日本の画師ゑしでございます。日本の画師はあなた様さへ、日本人にするほかはございますまい。なんとさやうではございませんか?」
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)