玉手ぎょくしゅ)” の例文
この一舞踏ひとをどりんだなら、ひめ居處ゐどころけ、このいやしいを、きみ玉手ぎょくしゅれ、せめてもの男冥利をとこみゃうりにせう。
誰だったか、一寸度忘れをしてしまったが、三つ四つの時に女王陛下の御前へ出て、玉手ぎょくしゅを触れていただいた記憶があるといっている。これは確か瘰癧るいれきの直るおマジナイだった。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さすがの后も躊躇ちゅうちょせられたが、千人目ということにひかされてついに辛抱しんぼうして玉手ぎょくしゅをのべて背をこすりにかかられた。すると病人が言うに、わたくしは悪病をわずらって永い間このかさに苦しんでおります。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
玉手摻摻酒幾巡 玉手ぎょくしゅ摻摻さんさんとしてさけ幾たびかめぐ
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)