玉串たまぐし)” の例文
北条誅滅ちゅうめつ、王政一統、ふたつながら大願の成った報告がおこなわれ、天皇神拝の御儀おんぎに次いで、玉串たまぐしがささげられる。
何のまじないに使ったものか、青竹にはさんだ祈願用の小さな畳紙たとうがみです。のみならず、その小さな玉串たまぐしの表には、達者な筆で鬼子母神と書かれてあるのでした。
重武は真白な喪服をつけて、玉串たまぐしを捧げて多数の会葬者の見守る中を、しず/\と祭壇に近づいた。
又その四隅には白木の三宝さんぼうを据えて、三宝の上にはもろもろの玉串たまぐしが供えられてあった。壇にのぼる者は五人で、白、黒、青、黄、赤の五色ごしきかたどった浄衣じょうえを着けていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その中の、菱殻ひしがら焼粉やきこの黄色い灰の上では、桜の枝と鹿の肩骨とが積み上げられて燃え上った。咒禁師はそのめた煙の中で、片手に玉串たまぐしを上げ、片手に抜き放ったつるぎを持って舞を舞った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
神風や玉串たまぐしの葉をとりかざし内外うちとの宮に君をこそ祈れ (俊恵しゅんえ
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)