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猿智慧
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さるぢえ
ふりがな文庫
“
猿智慧
(
さるぢえ
)” の例文
それで少しは心が慰さもうかと思ったのだ。世間では伊勢殿が悪いという。
成程
(
なるほど
)
あの男は
奸物
(
かんぶつ
)
だ、淫乱だ、私心もある、
猿智慧
(
さるぢえ
)
もある。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「そうだ、これなら
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
。ねえ
猿
(
さる
)
さん、お前は
猿智慧
(
さるぢえ
)
といって、たいそう
利巧
(
りこう
)
だそうだが、
案外
(
あんがい
)
馬鹿
(
ばか
)
だなあ。今私が
大蛇
(
おろち
)
を
退治
(
たいじ
)
てあげるから、見ていなさいよ」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
へい、人間様だぞ。おのれ、荒神様がついてござる、
猿智慧
(
さるぢえ
)
だね、
打棄
(
うっちゃ
)
っておかっせえまし。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
...
猿智慧
(
さるぢえ
)
から割り出した術数と、天来の滑稽趣味と混同されちゃ、コメディーの神様も活眼の士なきを嘆ぜざるを得ざる訳に立ち至りますからな」主人は
俯目
(
ふしめ
)
になって「どうだか」と云う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは一体、誰の
猿智慧
(
さるぢえ
)
なんです? ばかばかしくて、見て居られません。どうせ、いやがらせをなさる積りなら、も少し気のきいた事でやって下さい。あなたがたは
卑怯
(
ひきょう
)
です。
陋劣
(
ろうれつ
)
です。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
それで少しは心が慰さまうかと思つたのだ。世間では伊勢殿が悪いといふ。
成程
(
なるほど
)
あの男は
奸物
(
かんぶつ
)
だ、淫乱だ、私心もある、
猿智慧
(
さるぢえ
)
もある。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
考えて御覧、どんなに厳重にして守ったって、そりゃ人間の
猿智慧
(
さるぢえ
)
でするこッた、現にお前さん、多勢黒山のような群集の中で、その観音様を一人で引揚げて来たじゃあないか。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふたたびあさはかな
猿智慧
(
さるぢえ
)
を用い、腹掛けなどから銭を取出す事のないように、丸裸になって捜し出せ、銭九文のこらず捜し出すまでは雨の日も風の日も一日も休む事なく河原におもむき
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
猿
常用漢字
中学
部首:⽝
13画
智
漢検準1級
部首:⽇
12画
慧
漢検準1級
部首:⼼
15画
“猿智”で始まる語句
猿智惠