猟奇りょうき)” の例文
つまりA独特の猟奇りょうき趣味と、冒険趣味とを兼ねた、一挙三得の廃物利用を考え出しましたので、そのままグングンと仕事を運んで行ったものでした。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「——察するところ、鼠賊そぞく猟奇りょうきやからなど、夜行の鬼を躍らすものは、ピオと申す異国の貴人が地下に抱いていると伝えられる宝刀の仕業しわざと思う」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人公の語り出した所謂いわゆる「赤耀館事件の真相」なるものが私の想像以上に複雑とも奇々怪々ともいうべきものであって、飢え渇いていた私の猟奇りょうき趣味は
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
園田黒虹というのは、一年に一度位ずつ、忘れた頃に、ポッツリと非常に不気味な短篇小説を発表して、猟奇りょうきの読者を怖がらせている、奇妙な作家であった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
園主の招待を受けた、りすぐった猟奇りょうきの紳士淑女達は、畸形きけいなゴンドラに乗せられて、悪魔の扮装をした船頭のあやつる竿さおに、ずこの椿のアーチをくぐるのだ。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
目隠しをしてどこかに連れてゆかれるという猟奇りょうき的な話がすっかり気に入ってしまい、へへえ、それで手前はそこでどんな仕事をしているんだと聞けば、かの男は
東京要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうしてそのまま猟奇りょうきともがら口端くちはに上って、色々な臆説の種になっているばかりである……という事実を、先生は多分、何かの雑誌か、新聞で御覧になった事でしょう。ハハア。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ある雑誌の猟奇りょうき座談会でタッタ一度同席した事のある断髪のモガで、その時に私がこころみた「殺人芸術」に関する漫談を、蒼白あおじろく緊張しながら聞いていた顔が、今でも印象に残っているが
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
前篇 猟奇りょうきはて
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)