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ふりがな文庫
“
物怪
(
もっけ
)” の例文
その怒りは心頭より発したる怒りではなく、
癇癪
(
かんしゃく
)
より出でた怒りでしたけれども、この場合怒ることのできたのは
物怪
(
もっけ
)
の幸いでした。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ロレ はれ、それは
物怪
(
もっけ
)
の
不運
(
ふうん
)
の!
眞實
(
しんじつ
)
、
重大
(
ぢゅうだい
)
な
容易
(
ようゐ
)
ならぬ
用向
(
ようむき
)
の
其
(
その
)
書面
(
しょめん
)
、それが
等閑
(
なほざり
)
になった
上
(
うへ
)
は、どのやうな一
大事
(
だいじ
)
が
出來
(
でけ
)
うも
知
(
し
)
れぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
息子に恋慕している娘は、
物怪
(
もっけ
)
の幸と思っている。そこで二人はおじに二階へ追い上げられる。夜具は一人前しか無い。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
しかしそれが自分達に取ってはむしろ
物怪
(
もっけ
)
の幸いで、うかうかと館へ帰ったらばどんなことになるかも知れない。かれはここで侍従に出逢ったのを神の助けであるとも思った。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
物怪
(
もっけ
)
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
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だけれど
生娘
(
きむすめ
)
でいた時より美しくはなっても、醜くはなっていない。その上どうしたのが男に気に入ると云うことは、
不為合
(
ふしあわせ
)
な目に逢った
物怪
(
もっけ
)
の
幸
(
さいわい
)
に、次第に分かって来ているのである。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「いや、その傷が
物怪
(
もっけ
)
の幸いというものだ。我々の眼で見ると
愛染明王
(
あいぜんみょうおう
)
の
相
(
すがた
)
だ」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“物怪”で始まる語句
物怪風
物怪変化