“もっけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勿怪80.6%
物怪11.3%
没怪3.2%
没計3.2%
勿化1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
喜平らの探検を恐れて、かの女が姿をかくしてしまったのは、勝次郎にとっては勿怪もっけの幸いというべきで、かれは先ずほっとした。
半七捕物帳:43 柳原堤の女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ロレ はれ、それは物怪もっけ不運ふうんの! 眞實しんじつ重大ぢゅうだい容易ようゐならぬ用向ようむきその書面しょめん、それが等閑なほざりになったうへは、どのやうな一大事だいじ出來でけうもれぬ。
秋天片雲無きの口にここへ来たのは没怪もっけの幸いであった。帰りは下り坂を面白半分に駈け降りると、あぶなく滑って転びそうになること両三度、降りてしまったら汗が流れた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と田川さんも今度は本音だったが、例によって信じて貰えないのを没計もっけの幸いとした。人情としては成功を語りたかった。しかし尾崎さんから口止めをされている。それに自分の都合もあった。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これこそ勿化もっけの幸いと、僕は老人に挨拶もそこそこに火事場の方へ道をとって走りだした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)