燗徳利かんどっくり)” の例文
しかし幹太郎はその器物が多いのと、こののものでなく、どんぶりや皿小鉢がてんや物であり、燗徳利かんどっくりや盃まであるのに気がついた。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
野郎が言うことにゃ、おやおや、おとっさんの頭か、おりゃまた大事の燗徳利かんどっくりかと思ったと、そうぬかすんですから、こんなのは、とても親孝行の方には向きませんよ。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こういう窯に、優れた小ものを求めても無理であります。もっとも昔は燗徳利かんどっくりなどに巧な絵を描きました。ともかくこの大きな窯場の強い仕事には、石見人を見る思いがします。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
兵馬はいきなり燗徳利かんどっくりを取ると、盃洗はいせんへあけてぐぐぐと呷りつけたが、——どう思ったかそのままごろりと仰反あおむけに倒れて
初午試合討ち (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼の顔に皮肉な嘲笑ちょうしょうするような表情がうかんだ。……お幸が盆の上へ燗徳利かんどっくりと盃をのせて持って来た、彼は寝床の上に坐ったまま、独りで不味まずそうに酒を飲みだした。
追いついた夢 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お豊が燗徳利かんどっくりを長火鉢の銅壺どうこへ入れるのを見て、深喜は「おれはだめだぜ」と云った。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)