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無事
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なきこと
上げ若し長庵殿
言事にも程が有る
近所には居らるれどもお前とは
染々物言換した事も無いに私しと
密通を仕て居るなどと根も葉も
無事を
ひしがるゝとも
覺え
無事は申上難く候と言ひ
募るにぞ然ば猶後日の調べと
再度一
同下られ長庵三次の兩人は又も
獄屋へ引れける
盡したれど
定業は
逃れ難く母は
空敷なりにけり兵助の
愁傷大方ならず
然ど
歎て
甲斐無事なれば泣々も野邊の送りより七々四十九日の
法なみもいと
懇ろに
弔ひける。