烏頭うず)” の例文
「これは烏頭うずという毒薬がやじりに塗ってあったためで、その猛毒はすでに骨髄にまで通っています。もう少し放っておかれたら片臂は廃物となさるしかなかったでしょう」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はなにゆえにかくの如きことをなせしや。彼はみずから曰く、「宿疴しゅくあの胸腹に凝滞ぎょうたいつかまつり、一円いちえん快愈のきざしこれ無きの姿に付き、一旦烏頭うず大黄だいおうの激剤相施し申さず候えば、とても功験得難く候」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
医刀をもって肉を裂き、ひじの骨を取り出して、烏頭うずの毒で腐蝕したところや変色した骨の部分をきれいに削り取るのです。おそらくこの手術で気を失わぬ病人はありません。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)