炳乎へいこ)” の例文
わが日本民族にほんみんぞく靈智れいち靈能れいのうつてゐる。炳乎へいこたる獨特どくとく文化ぶんくわいうしてゐる。もとより拓拔氏たくばつし印度人いんどじんやトルコじんではない。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しかし、その君国のために生きんとする、尊き偉大なる精神は、今日もなお炳乎へいことして明らかに、儼然として輝いています。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
これだけはたしかであります、これ以上は証明する事はできないが、これだけは証明する必要もないくらいに炳乎へいことして争うべからざる事実であります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人類の教師としての孔子の意義が炳乎へいことして現われていると言ってよかろう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
これと同じようにあなた方と云うやはり一箇の団体の意識の内容を検して見るとたとえ一カ月に亘ろうが一年に亘ろうが一カ月には一カ月をくくるべき炳乎へいこたる意識があり
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
炳乎へいことして明らかに刻下こくかの我をてらしつゝある探照燈のやうなものである。従つて正月が来るたびに、自分は矢張り世間なみ年齢としを取つて老い朽ちて行かなければならなくなる。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
燦爛さんらんたる彩光さいこうは、炳乎へいことして昔から現象世界に実在している。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)