トップ
>
溝際
>
どぶぎわ
ふりがな文庫
“
溝際
(
どぶぎわ
)” の例文
灯影の
疎
(
まば
)
らなその町へ来ると、急に話を
遏
(
や
)
めて、女から少し離れて
溝際
(
どぶぎわ
)
をあるいていた浅井の足がふと一軒の出窓の前で止った。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
実際私は下谷浅草本所深川あたりの古寺の多い
溝際
(
どぶぎわ
)
の町を通る度々、見るもの聞くものから幾多の教訓と感慨とを
授
(
さず
)
けられるか知れない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
唯濹東の裏町、蚊のわめく
溝際
(
どぶぎわ
)
の家で
狎
(
な
)
れ
暱
(
した
)
しんだばかり。一たび別れてしまえば生涯相逢うべき機会も手段もない間柄である。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お庄は一人で暗い外へ出ると、温かい湯の
匂
(
にお
)
いのする
溝際
(
どぶぎわ
)
について、ぐんぐん歩いて行ったが、どこへ行っても同じような家と町ばかりであった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
わたくしは散策の方面を隅田河の東に替え、
溝際
(
どぶぎわ
)
の家に住んでいるお雪という女をたずねて
憩
(
やす
)
むことにした。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
わたくしの忍んで通う
溝際
(
どぶぎわ
)
の家が寺島町七丁目六十何番地に在ることは既に
識
(
しる
)
した。この番地のあたりはこの盛場では西北の
隅
(
すみ
)
に寄ったところで、
目貫
(
めぬき
)
の場所ではない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
清岡は君江が石にでも
躓
(
つまず
)
いて、そのために急に自分の手を握ったとでも思ったらしく、「どうしたんだ。」と言いながら、往来の人目を
憚
(
はばか
)
って
溝際
(
どぶぎわ
)
の方へ少し身を
避
(
よ
)
けた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
溝
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“溝”で始まる語句
溝
溝板
溝渠
溝川
溝泥
溝鼠
溝口
溝端
溝壑
溝店