湖南こなん)” の例文
むかし湖南こなんの何とやら郡邑ぐんゆうに、魚容という名の貧書生がいた。どういうわけか、昔から書生は貧という事にきまっているようである。
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
燕山楚水えんざんそすい蘇浙小観そせつしょうかん北清ほくしん見聞録、長江ちょうこう十年、観光紀游、征塵録せいじんろく、満洲、巴蜀はしょく湖南こなん漢口かんこう支那風韻記しなふういんき、支那——
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それでは、どこがいいだろうかな? 湖南こなんも戦争だ。大連たいれんはやはり家賃が高い。
幸福な家庭 (新字新仮名) / 魯迅(著)
湖南こなん浄慈寺じょうじじに来てわしを尋ねるが宜い、今、わしがを云って置くから、覚えているが宜い、もとこれ妖蛇ようじゃ婦人に変ず、西湖せいこ岸上がんじょう婦身ふみを売る、なんじよく重きにって他計たけいう、なん有れば湖南こなん老僧を見よ
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
湖南こなん湖北こほく
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広東かんとんに生れた孫逸仙等そんいつせんらを除けば、目ぼしい支那の革命家は、——黄興こうこう蔡鍔さいがく宋教仁そうきょうじん等はいずれも湖南こなんに生れている。これは勿論もちろん曾国藩そうこくはん張之洞ちょうしどうの感化にもよったのであろう。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
持って一時に二人射殺すと言う、湖南こなんでも評判の悪党だったんだがね。………
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)