温泉町ゆまち)” の例文
官兵衛は、れのすすめをすぐれて、道をかえた。——それにしても、この有馬の温泉町ゆまちへはいるには、細心な警戒を要した。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕方の六刻むつというと、もう三道の客が織るように入ってくる。温泉町ゆまちの入口は馬やかごや運送の人足で埋まっていた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さながらあてなき旅をするもののように、今日も夜にかけて峠を越え、この温泉町ゆまち辿たどりついたのを幸いに、自然の報謝をうけて、旅のあかを洗っていたのだ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土地には土地の約束もあるし、ことに、温泉町ゆまちのような場所には、犯すべからざる旅客のおきてがある。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
有馬ありま温泉町ゆまちは暮れかけている。池之坊橘右衛門きつえもん湯宿やどへ、いま、ふたりの武士がそっと入った。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ岬のはなの乱松にあしの高い時分から、散り松葉にしっとりと潮気のふくむ岩蔭に腰をおろして、そこから一望にながめられる相模灘さがみなだをよぎッて、熱海の温泉町ゆまち
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)